2015年から毎年行われている「RoundTrip」というツアーがある。
「地域に縛られない地方創生」を旗に、国内の数か所をライドシェアで回り、訪れた各地方で活動する、というもの。
今年も募集が開始されたツアー。⇒RoundTrip2018
私は去年、このツアーに搭乗者として参加させてもらいました。
とても、とても、刺激的でした。
個人的に、このプログラムの神髄は、「複数の地域を回ること」にある、と思っていて。
ホームページにも「俯瞰的視点」とあるけれど、その「視点」を手に入れられた、という点で、とても学び多き3日間。
(2017はツアー自体は4日間で私は仕事があって、3日目に下車しました)
最近・・・
「地方創生」や「多拠点居住」の文脈で見聞きする意見(主にネット上)で、ちょっと気になっていることがある。
一つの地域の問題が記事になると「“田舎”はー」「“都会”はー」と「ひとくくり」にしてレッテルを貼る人のなんと多いことよ・・・と。
そのたびにむずむず・・いや、いらいらする。
「ちーがーうー!」と思う。
その事象はその人、その地域にとってのリアルなのは間違いないんだろうけど、
その「自分の一つの経験」をベースに、やれ「地方は~」とか「田舎は~」とか、よその地域にまで無自覚に全てあてはめようとしていることにとても違和感を持ってしまう。
一概になんて言えませんってば・・・
去年のRoundTripで私が訪れたのは
・岡山県瀬戸内市
・福井県南越前町
・長野県飯田市
の3か所。
各地域は半日~1日の滞在なので、当然、その地域のこと全部がわかるはずはないのだけれど、
それでもそれぞれの地域がそれぞれに個性があり、「違う」ことは十分わかった。
そして、それぞれの地域は「理想郷」でもなんでもなくて、
そこにあるのは、それぞれの地域にそれぞれに「普通に暮らす人々」に過ぎないし、
世の中の全ての人がそうであるように、多かれ少なかれ、良いことも悪いこともあって、日々を過ごしているんだ、と思った。
さらに同じ地域の中だって、人によって色々な考え方や個性がある。
「地域」に関するスタンスだって、人間が違うんだから、一様にまったく同じはずがない。
考えてみれば当たり前で、「都会」の代表格の「東京」だって、
広尾に住む人と、吉祥寺に住む人と、葛西に住む人が同じなわけないし、
同じ江東区豊洲駅周辺を取り出してみたって、「昔ながらの地域住民」と「高層マンション住人」は違う。
住んでいる人同士、交わることもあるし、交わらないこともある。
「それぞれ違う」なんて当たり前だと思うのだけれど、
なぜか、「地域創生」を語り出す人はそれを忘れていやしませんか・・?と思ってしまう場面が少なくない。
(こう思うのは私だけなのか・・・)
何かしらの問題を解決するときに「先入観」は邪魔でしかない、というのを何かの本で読んだ記憶があって。
短期間で複数の場所を回ったことで、自分は「地域」に関する余計な雑音をそぎ落とし、「信じられるのは目の前にあるリアルだけ」ということを、ある意味、体にしみこませることが出来たんだと思う。
参加している最中は、移動に次ぐ移動、のハードスケジュールだし、
各地での体験や見るもの聞くものが全て新鮮で楽しくて、そんなことをゆっくり考える余裕は無かったけど・・・(笑)。
自分自身、「流動創生」を知ったのは2017年の3月。
たまたま参加した都内のセミナーで「移住者の奪い合いに未来は無い」という言葉に衝撃を受け、興味を持ったことがきっかけで、半年後、このツアーに参加するに至りました。
各地で出会った方々、一緒に搭乗してくれた方々を通じて、目から鱗は何万枚も落ちました。
思い切ってえいっと踏み出してみて本当に良かった。あの日の自分を褒めたいです。
今年、私は2か所目の奈良にて参加させてもらうことになりました。
今回はどんな人たちがどんな風に各地を回ってどんなことを考えるのだろう。とても楽しみ。
応募者募集開始のホームページを見て、去年のことを色々思い返しました。
ご興味のある方、ぜひ流動創生のサイトをご覧になってみてください。
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