「公」の職業について思うこと

ふと、ネットで目にした、公務員から民間に転職した人のブログ

公務員時代は「楽しそうにしていると通報される」と書いてありました。


・・・・・そんな職場、嫌すぎる・・・・

(まあ、転職先のペパボが振り切りすぎなので落差・・!というのは置いといて・・)


昨今のニュースで薄々そんな世界があることは知っていたけれど・・・

「楽しそうにしていると通報」

当事者からの文字で見るとやっぱインパクト強いなあ・・。


なんて世知辛い世界なんでしょう。

いかんよ、それは、さすがに。

「公」に携わる場を、そんな世界にしちゃいかんよ・・・と自分は思いました、心から。


私は”民間”でしか働いたことがないのですけれど。

けど、「そういう世界」の広がりに危機感を持ってしまうのは、

人事総務スタッフ、という「社内における公務員」に位置づけられるような仕事をしているからだと思います。


あくまでも、私の考えですが、

「公」っぽい仕事に従事する人が、仕事への「プライド」「誇り」みたいなものを失っては、

良い仕事、は出来ないと・・思います。

(何が「良い仕事」か、という定義は、ここでは置いておきます)


もちろん楽しいことばかりではないけれど、

理不尽なことがあっても、「社員のため」「会社のため」という

モチベーションがある程度持ててこそ、

良い仕事が出来るのだと、自分なんかは思っています。


「楽しそう」にしてるだけで「通報」される、職場・・・。


もちろんそんな側面だけではないとは思うけど、

常に市民から罵倒されることに身構える職場・・・

自分だったら心が折れる、もしくは、やさぐれる。

そして、「公」につく者の心が病んでいる組織・・・

想像すると、おそろしい。


いや、ほんとに。おそろしいのです。

どうか、想像してみてほしいのです。


「公」の人たちが自暴自棄になった先、

「公」vs「市民」になった世界に何が待っているか・・・

おそろしい・・・


社内の場合だと、(少なくとも自社の場合)

定期的に人事異動のローテーションがあるので、

こっち側の立場も、現場側(市民側)の立場もわかる人が一定数いる。

だから、「まあ、そっちの気持ちもわかるよ」というやり取りが発生しやすい。

且つ、なんだかんだ「同じ会社の人」で、多少なりとも仲間意識、みたいなものはゼロではないので、

そこまで「敵」とはみなされない。

ゆえに罵倒されにくい。(されない、とは言わないけど・・・)


でも、本物の「公務員」は・・・

どうなんでしょう。


「楽しく働く自由」を奪われた職場に、あんまり未来は無いと思います。

未来がない職場で働く人の仕事は遅かれ早かれ「劣化」する・・・

人事、という仕事をある程度やってきた自分として、そういう肌感覚を強く持っています。

公務員の仕事の質が「劣化」した自治体や国家に未来があるとは・・・私はあんまり思えません。


そりゃ、役所に来るときに楽しい気分の人ばかりじゃないだろうことは分かります。

手続きは面倒だし、どちらかというと、ネガティブな感情のときが多いのだろう、という推測も、容易に出来ます。

つれない公務員、冷たい公務員にイライラする場面だって当然あっていいと思います。

人間、聖人君子じゃないのだから。

私だって冷たく対応しない時が未来永劫無いとは言い切れない。


ただ、それが一方的な「通報」という手段に訴えるのではなくて・・・

何かしらの形で直接話したりできないもんかなあ、と思います。

顔の見えない「通報相手」とは、相互理解に基づいたコミュニケーションは成り立たないと思うので・・・

相互理解もせず、公務員を「敵」とみなしてしまう世界は・・・

必ず住民側にしっぺ返しが来る、そんな気がするのです。


どうしたものか、と思います。

「公務員を叩く人を叩く」というのも違うような気がする。


なんというかせめて「普通」の精神状態でこっちが居られるときならば、

役所でなんか対応してもらったら「ありがとう」の一言があってもよいんじゃないか、と、

あらためて思いました。

市民から心を開くことで、何かが変わるんじゃないかと。


公務員のやることがいけてない、と思っても、

一方的に叩いたりするのじゃなくて、

「やってくれてありがとう。でもね、ここはね・・・」と、

相手が「人間」であることを忘れない程度に接することはできんもんか・・・と・・・。


言うは易し、行うは難し・・かもしれないけど、

そういう成熟した市民に、自分はなりたい。


自分の中では「公務員にもうちょっと優しい世の中にしたい」は、きれいごと、ではなくて、

「そうしないとゆくゆく自分たちの首をますます絞めることになるはず・・」という

社内公務員、という立場の自分から見える強烈な危機感だったりするのです。


共同体が中から「腐っていく」ことの恐ろしさ。

公務員、だけじゃないかもしれないけど、

あらゆる「公」の職業につく人のことを想像する人が増えればいいのにな・・と。


とかなんとか、つらつらと考えていて、ふと思い立って、公務員の心構えに関する本とか無いかしら、と検索したら

「若手行政官への推薦図書」という人事院(!)のサイトがありました。

「夜と霧」がリストアップされていて、なんてゆうか・・・泣けました。


置かれた悲惨な状況を

「学問という一段高いところから」観察し、描写することで、

「わたしはこの状況に、現在とその苦しみにどこか超然としていられ、それらをまるでもう過去のもののように見なすことができ、

 わたしをわたしの苦しみともども、わたし自身が興味深い心理学研究の対象とすることができたのだ」

そういう本だったと記憶しています。


どういう意味でリストアップされているのかは定かではないけども。

なんか色々考えさせられました。


考えて・・・

それでも、やっぱり、シンプルに公務員だって幸せに働く自由はある、、と私は思いたいし、そういう世界を作っていきたいです。

そんな風につれづれと考えました。


 #日ごろ、思うことが多かったので、ずいぶん長文を書いてしまった・・・

  この話題はあまり何回も書きたくなかったから、、、まあ、いっか・・・。

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