「アルカロイドは君の中」

誰にも伝わらなそう・・と思いますけど、

自分の中で「・・・そういうことだったのか!」と大きい衝撃があったので、書く。

10代の頃から好きなアーティスト(バンド)がいて。

歌詞に「アルカロイド」って単語が出てくる曲があるんです。

大げさじゃなく何千回も聴いているし、何十回とライブやらカラオケやらで自分も歌ってたんですけど、

全体的に絶妙にシュールな意味のわからない唄なので、

何も考えずにいたんですけど。


話は全然変わって。

日頃、趣味で、時々、本屋さんっぽい活動をしていて。

先日、まちのマーケットに本屋さんとして出店させてもらったんですけど。

そのマーケットのテーマが「ピクニック」で。


あまり、日ごろ自分に縁のあるテーマでもなかったりして、

思いつく本も『夜のピクニック』(恩田陸)くらいしかなくて。


これをきっかけにせっかくだし、と

「ピクニック」と名のつく本を何冊か読んでみたのです。


例えば『嵐のピクニック』(本谷有希子)、『風のピクニック』(谷川俊太郎)、

で『悪魔のピクニック』(タラス・グレスコー 訳 仁木めぐみ)。


副題が”世界中の「禁断の果実を食べ歩く」”で、なんか面白そうな本だな、と。


帯には「食べると言われると、食べたくなる」

「誰がどうして禁止したのか? 食を通じて、人間の欲望と社会・政治とのかかわりを解き明かす」。


コカ茶、葉巻、密造酒、チョコレート、ポピーシード、生乳チーズ・・・

筆者がそれが食べれるところに旅して食べてレポートする「トラベルエッセイ」。

もはや本来の「ピクニック」と、無関係な気もしないでもない・・・

読むとめちゃくちゃ面白かったんですけど。


その8章が「コカ茶」で。

ボリビア行って、コカ茶、を飲む。

コカの葉、を街で入手して、売り子から聞かれる。


「レイヤはいる?」
 レイヤとは、漂白という意味の言葉で、アルカリ度の高い焦がした根にショ糖をくわえたものを表す。
アルカロイドを抽出するのを容易にするために使われるものだ。


・・・アルカロイド。

なんかどっかで聞いたことある、と。


さらに読んでいくと、アルカロイド、とは「葉から抽出される」

何かしらの物質、ということが、なんとなくわかる。


アルカロイド・・・。

なんだっけ。

で、唐突に脳裏にその曲のフレーズが鳴りました。


「アルカロイドは君の中」

唐突に歌詞の意味がばばばばばっ!と、かけめぐった感じ。

ずーっと昔から知っている歌だったのに。

まったく意味を解することなく歌っていた。

そういう意味の歌詞だったのか・・・!!わかった!!

一節だけだけど唐突に理解して、無駄に一人で興奮してしまいました。


意味を知らなくても、知らないまま、疑問を持たず過ごすことって

思ってたよりずっと容易いのだなあ・・・


と、こんなどうでもいいことを書いて言いたいのは、

いくつになっても新しい発見はあるなあ、とか、

わからないことがあったらもうちょっと調べたほうがいいのかな、とか。

結局は陳腐なことでしかないのですけど。


でも、なんというかこういう偶然に出会う新たな知識があったり、

好奇心を書きたてられたりすることがあるから、

自分は、色々乱読するのが好きで、本を読むのがやめられないんだなあ・・、とあらためて思いました。


『禁断のピクニック』は、「食べ物の禁止」にまつわる歴史やそれに伴う人間の心理、みたいなことが興味深く描かれているので、そういうの(どういうの?)に興味がある方にはおすすめです。

0コメント

  • 1000 / 1000